化学物質

化学物質の管理について

化学物質管理の重要性

 化学物質には、爆発・発火などの危険性、健康障害・環境汚染などの有害性を有しているものは少なくありません。特に大学では、先進的な研究が実施されているため、危険性及び有害性がわからない化学物質までも取り扱うことがあります。
 日本では、化学物質は様々な法律により規制されています。たとえば、人体に対して毒性を有するものは「毒物及び劇物取締法」で規制されています。また爆発や発火の原因となる危険性を有するものは「消防法」で規制されており、「危険物」として定義されています。他にも化学物質を使用する際には、健康障害を受けないように取扱や暴露状況の監視などが必要であったり、環境汚染物質であったり、化学物質には様々な側面を単独または複数持っていることを忘れてはいけません。

化学物質による負荷

化学物質管理のサイクル

化学物質管理のサイクル

1. 責任の明確化

化学物質管理責任者(規則第6条第1項)

化学物質を使った教育研究がしたい 熊本大学における化学物質管理は、化学物質が学外から入ってこない限り発生しません。そのため、化学物質を入手して教育研究活動を行った際に、その活動の責任者が化学物質管理責任者となります。

化学物質管理責任者の管理範囲(規則第6条第2項、第3項)

化学物質取扱グループ 化学物質管理責任者は、化学物質取扱グループの責任者となります。YAKUMOのIDはグループごとに発行されます。新しくグループを立ち上げる場合は、まずはYAKUMOから新規IDの申請を行って下さい。

化学物質管理責任者は、化学物質、化学物質取扱者、化学物質取扱場所を管理します。

化学物質管理責任者は、グループ内の教職員に管理のための補佐を行う化学物質管理推進者を置くことができます。

管理組織(規則第4条、第5条)
管理組織

化学物質の管理組織は、熊本大学における安全衛生委員会に準じています。そのため、事業場毎に化学物質の管理を進めることになります。

ただし、熊本大学には全学の安全衛生を審議する中央安全衛生委員会があり、さらに化学物質管理を支援する環境安全センターなどがあります。

化学物質取扱報告書の提出(規則第6条第4項)

化学物質取扱報告書 化学物質管理責任者は、年度初めに化学物質取扱報告書を提出します。このことで、熊本大学内にある化学物質取扱グループを把握することができます。

化学物質取扱報告書はYAKUMOから出力します。その際に、以下の項目を確認し、必要であれば修正します。
(1)所属部局
(2)化学物質取扱グループ名
(3)化学物質管理責任者の情報
(4)化学物質取扱者数
(5)化学物質取扱場所
特に、(4)化学物質取扱者数は、学生配属や教職員の新規採用、異動によって毎年変化しますので、YAKUMOにおいてユーザー登録を更新したうえで化学物質取扱報告書を出力して提出して下さい。

化学物質管理責任者の変更(規則第6条第5項、第6項)

化学物質管理責任者が退職する、異動する場合は、化学物質取扱グループが消滅しますので、その後の処遇を決める必要があります。また化学物質管理責任者の交代や化学物質取扱グループの名称変更、化学物質管理推進者の新規設置、変更、廃止も同様です。

化学物質取扱グループ変更・廃止届がありますので、以上のことが起きる30日前までに届出を行って下さい。

化学物質管理責任者が変更・廃止する場合、化学物質取扱グループ変更・廃止届の提出後、必ず保管リストを提出して下さい。変更の場合は次の化学物質管理責任者が引き継ぎます。廃止の場合は、不用薬品として処分します。

災害傷害保険等への加入(規則第8条)

化学物質を取り扱う場合、化学物質による事故を起こす可能性はゼロではありません。

そのため化学物質取扱者のうち、特に学生は学生教育研究災害傷害保険又は他の災害保険等に加入して下さい。

2. 入手

YAKUMOへの登録(規則第9条、第10条)
YAKUMOへの登録

化学物質(高圧ガスも含みます)を購入や譲受で入手した場合は、必ずYAKUMOに登録して下さい。
熊本大学では、購入した化学物質(高圧ガス)は窓口を経由してYAKUMOへの仮登録が行われています。必ずYAKUMOにログインして本登録を行うようにして下さい。

バーコードラベル またYAKUMO登録の対象外のものがあります。簡単に区別すると以下のようなものです
(1)法令で厳しく使用量などが規制されているもの
(2)混合物など、YAKUMOによる管理支援がむずかしいもの
(3)別のシステムで管理されているもの
(4)核酸や蛋白質などの生体高分子

YAKUMOから出力されたバーコードラベルは、入手した化学物質にある製品番号に合わせて、薬品瓶に貼るようにして下さい。

バーコードラベル YAKUMOから出力された充・空カードは、入手した高圧ガスボンベにある製品番号に合わせて、ボンベに掛けて下さい。
YAKUMOに登録されていない化学物質は、自己管理でお願いします。

3. 保管

保管庫(規則第12条)

化学物質は、化学物質専用の保管庫で保管して下さい。
また保管庫は、災害に備えて、転倒防止を講じて下さい。
化学物質を保管庫内で保管するときは、災害に備えて、落下防止や接触破損防止を講じて下さい。

危険物の保管(要項第4条)

消防法で指定されている危険物は、管理区域内で保管できる量が限られています。熊本大学では、管理区域は熊本市と協議して実験室単位としています。
また管理区域内に保管できる量は、指定数量の1/5未満となっています。指定数量は、危険物の種類(第1類~第6類)で異なりますので、YAKUMOなどの管理支援システムを利用して、保管量が指定数量の1/5以上の場合は、危険物屋内貯蔵所で保管して下さい。
危険物は、発火などのおそれを減らすために種類ごとに保管して下さい。特に危険物混載表に従って、発火のおそれを極力減らして保管して下さい。

高圧ガスの保管(要項第5条)

高圧ガスボンベは、転倒すると、その重さにより大きな傷害を受けることがあります。また災害にも備えて、転倒防止を必ず行って下さい。
(1)柱、壁などに固定する。
(2)上位と下位をチェーンで固定する(2箇所固定)
(3)ボンベスタンドを利用する時は、壁か床に固定して利用する。

毒物及び劇物の保管(要項第6条)

毒物及び劇物は、健康障害のおそれが高い化学物質です。そのため紛失や盗難がある場合、悪意ある行為に使われる場合があります。厳重に保管して下さい。
(1)堅固な保管庫(金属製で、持ち運びが容易でないもの)でかつ施錠できるもので保管して下さい。
(2)毒物及び劇物以外の化学物質と一緒に保管しても構いませんが、明確に区別(専用トレーで保管する、保管庫内で保管場所を指定するなど)して保管して下さい。
(3)常時施錠して下さい。
(4)責任者の氏名を表示し、「医薬用外」も表示して下さい。さらに劇物を保管している場合は白地に赤色で「劇物」、毒物を保管している場合は赤字に白字で「毒物」の表示を行って下さい。これらは熊本大学指定の掲示物があります。
(5)定期的に棚卸を行って下さい。熊本大学では6月ごろに環境安全センターから指示があります。

>毒物及び劇物の保管

4. 使用

化学物質の使用(規則第13条)

化学物質は、様々なリスク(火災・爆発、健康障害、環境汚染)を持っています。しかし、大学では多くの化学物質を取り扱い、取り扱うすべての化学物質に対して講義で、それら危険有害性を学ぶことは不可能です。そのため、取り扱う前に、それら危険有害性を調べる技術を身に付けるべきです。

また化学物質管理責任者は、これから取り扱う化学物質の危険有害性についてリスクアセスメントを行い、その結果を化学物質取扱者に対して周知しなければなりません。危険有害性は、安全データシート(SDS)などで入手することができます。特にリスクアセスメントの結果、危険有害性が高いものについては、使用中止か代替物質の検討を行いましょう。それらが難しい場合は、取扱時間の短縮や化学物質の封じ込めなどの措置を行いましょう。

基本的に、危険有害性の高い物質は、暴露防止や飛散防止の措置を講じます。局所排気装置(ドラフト)がある場合は、必ず使用しましょう。その際、ドラフトによる吸気はあるか、異常音はないか、スクラバーの水は出ているかなどの使用前点検を行って下さい。

以上のことから、化学物質を使用する実験室では、喫煙・飲食を禁止とし、関係者以外は立ち入らせないようにして下さい。またこれらに関する掲示物(熊本大学指定)を掲示して下さい。

化学物質の使用
有機溶剤の使用(要項第7条)

化学物質の中で、労働安全衛生法で定められた「有機溶剤」という種類の化学物質があります。これは中枢神経系に有害性を示すために、使用する場合は注意が必要です。

熊本大学では、有機溶剤のリストを第1種、第2種、第3種に分けた掲示物と、使用上の注意の掲示物を用意しています。この掲示物がある場合は、必ず目を通し、今から取り扱う化学物質が含まれているかどうか、含まれている場合は、使用上注意も目を通すようにして下さい。

また有機溶剤を使用する取扱場所では、作業環境測定が行われることがあります。皆さんの取り扱いによって有害物質がどれだけ飛散しているか、科学的に調べる測定ですので御協力下さい。

有機溶剤の中でも「特別管理物質」と呼ばれる化学物質があります。これらの化学物質を取り扱う際は、使用記録と掲示物をすることになっています。特に掲示物には、人体に及ぼす影響、取扱上の注意、使用すべき保護具が記載されています。掲示物は学内ホームページからダウンロードできるようになっています。

有機溶剤の使用
特定化学物質の使用(要項第8条)

化学物質の中で、労働安全衛生法で定められた「特定化学物質」という種類の化学物質があります。これは健康有害性を示すために、使用する場合は注意が必要です。

特定化学物質を使用する取扱場所では、作業環境測定が行われます。皆さんの取り扱いによって有害物質がどれだけ飛散しているか、科学的に調べる測定ですので御協力下さい。

特定化学物質の中でも「特別管理物質」と呼ばれる化学物質があります。これらの化学物質を取り扱う際は、使用記録(作業概要と期間)と掲示物をすることになっています。使用記録は1か月に1回提出し、30年間保管します。掲示物には、人体に及ぼす影響、取扱上の注意、使用すべき保護具が記載されています。掲示物は学内ホームページからダウンロードできるようになっています。

高圧ガスの使用(要項第9条)

高圧ガスは、毒性、可燃性、支燃性、爆発性等の危険性について十分配慮して取り扱ってください。
高圧ガス容器をレンタルしている場合は、1年以内に返却して下さい。
また使用済み高圧ガス容器(自己所有容器を除く)は、直ちに販売事業者へ返却して下さい。

5. 廃棄

化学物質の廃棄(規則第14条)

化学物質は、環境法令及び環境安全センターの指示に従って廃棄して下さい。

化学物質の廃棄 実験廃液、不用薬品、有害汚泥、水銀含有器具は、環境安全センターでとりまとめています。以下のホームページをご覧ください。

化学物質が付着した廃棄物(または付着してそうな廃棄物)は、産業廃棄物として処理して下さい。絶対に一般廃棄物(いわゆる生活系廃棄物)と一緒にごみ集積場所に廃棄しないで下さい。黒髪地区は「実験廃棄物」として月に2回収集しています。本荘・大江地区は産業廃棄物として廃棄しています。

化学物質は、例えば化学物質取扱グループが廃止されるなど、次のグループに引き継がれない場合は、廃棄する必要があります。

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